総当たり戦の予選リーグ3日目に、大記録が生まれた。巨人の割石有音外野手(東京・文京パワーズ)が3試合連続のホームラン。これは2022年大会からの複合型バット禁止以降で初めて。予選は全試合を終えてソフトバンク、広島、阪神は3連勝。グループCの広島は、くふうハヤテとの直接対決を制して1位を決めた。またグループAでは連敗中のBCリーグが1位のヤクルトに逆転勝ちで意地の1勝、中日は完封リレーで2勝目を挙げるなど、夢の祭典に消化試合はなかった。
(本文&写真=鈴木秀樹)
※チーム名のジュニア(Jr.)は割愛。全試合のリポートではありません
■大会3日目
▽グループA
BCリーグ〇3対2●ヤクルト
中日〇2対0●西武
▽グループB
ソフトバンク〇5対0●オリックス
ロッテ〇3対2●DeNA
▽グループC
日本ハム〇10対0●オイシックス
※4回コールド
広島〇4対2●くふうハヤテ
▽グループD
阪神〇12対1四国IL
※4回コールド
巨人〇2対1●楽天
――熱闘譜――
12月28日◇横浜スタジアム
▽第1試合
中日2-0西武
中日の先発は主将の古谷航大(口名田フェニックス=写真㊦)。1回裏に西武の一番・桂歩夢(小手指ファイターズ)の左前打から一死一、三塁のピンチを背負ったが、これを内野フライと三振で切り抜けると、以降は「自分の力を最大限に出せたと思います」とノーヒットに抑える力投。4回途中からマウンドを引き継いだ大岩幸生(清見フレンズ)も西武打線に安打を許さなかった。

打線は4回表に一番・木村友哉(一宮イーグルス)の内野安打に続き小松凛太郎(日高レッツ)のバント安打でチャンスメイクし、四番・藤沢琢磨(平針HBC少年野球クラブ=写真㊦)と尾鼻翔也(度会ビースト)の連続適時打で2得点。以降は追加点こそ奪えなかったが、完封リレーの投手陣には十分な援護となった。

前日、すでに直接対決の勝敗からヤクルトのグループリーグ突破が決定し、予選リーグ敗退が決まっていた中日。その事実はあえて告げずに臨んだ最終戦について、山北茂利監督は「10月頭からの活動で、全員がすごく伸びたと思います。特に守備ですね。溝脇(隼人)コーチがすごい数のノックを打ってくれて。予想以上の成長です」とナインをたたえた。

西武は6投手が登板。2番手は熊代海聖(西堀ファルコンズ)㊤、締めくくったのは相座丞太郎(小平フレンズ)㊦


接戦を落とした西武の星野智樹監督は「全試合、6対2の野球をやろう、と選手たちとは話していたんです。6点というのは、毎回1ずつ点取っていこうという意味で」。それを考えると、ディフェンス面では3試合ともにプランに近い試合運びができていただけに(2対3、4対1、0対2)、打線の不振が悔やまれる3試合となった。残念ではあるが、短期決戦では起こりうる結果ともいえる。指揮官は「一人ひとりのポテンシャルを考えればナンバーワンのチームだったと思います。よく頑張って戦ってくれました」と、厳しい3試合を終えた選手らをねぎらっていた。
諸橋侑吾主将(八海シャークス)は「自分のチームでもキャプテンではないので、難しかったけど、いい経験ができました」とチームでの活動を振り返っていた。

▽第2試合
ロッテ3-2DeNA
ロッテが1回裏、庄司慎之介(磯辺シャークス)と片岡翔平(稲丘ベアーズ)の連打で先制。以降は両チーム無得点で試合が進んだが、DeNAが5回表に吉田陸飛(師岡ベアーズ)が左翼線を抜く三塁打を放って内野ゴロで同点のホームを踏んだ。

DeNAは5回表、吉田が左翼線を抜く三塁打㊤。2番手の阿部孝太朗(川和シャークス)㊦は3回ゼロ封

最終6回、DeNAは先頭の一番・岡田絃希(長泉リトルヤンキース)が右前打、佐久間慶(蛯名Jスターズ)の内野安打に悪送球が加わり、内野ゴロで岡田と入れ替わっていた一走の柴原蓮翔(船橋フェニックス)が勝ち越しのホームイン。
しかしその裏、ロッテは四球と庄司の中前打などで一死一、三塁の好機を得ると、田中凱斗(三枚橋ファイターズ)がセーフティースクイズを決め同点に。続く三瓶蒼生(木刈ファイターズ)の右前打でサヨナラ勝ちを決めた。

6回表、DeNAは佐久間の内野安打㊤に敵失が重なり、一走の柴原が2点目のホームイン㊦

「絶対に決めて、みんなの笑顔を見るんだと思って打ちました。最高です」とサヨナラ打の三瓶。小林宏之監督は「最終回は、なんとか同点には、と思ってセーフティースクイズのサインを出しましたけど、よく決めてくれました。3試合すべて厳しい試合でしたが、選手たちが最後まで粘り強く戦ってくれました」と3日間を振り返った。

6回裏、ロッテは三瓶が右前適時打㊤でサヨナラ勝ち

敗れたDeNAの松井飛雄馬監督も「良い試合だったと思います。みんな自分たちの力を出してくれたんじゃないかと思います」。2021大会からコーチを務め、今大会で初めて指揮を執った。夏以降の活動を振り返り、「いいチームになったと思います。伸びしろばかりで、これからも楽しみな子ばかり。ボクも毎週末が楽しみでした」と笑顔を見せた。

▽第4試合
巨人2-1楽天
1回裏、巨人の二番・割石有音(文京パワーズ)が予選3試合連続となる先制の3号ソロ本塁打を右翼仮設フェンス越えに放った=写真㊦)。
楽天が4回表に金田荘平(合川ニュースターズ)の中越えエンタイトル二塁打と齋藤悦生(広瀬スポーツ少年団)の適時打で追いついたが、巨人がその裏、荒武晄大(谷端ジュニアスポーツ少年団)と丸山永翔(習志野サンデーズ)の連続安打と平塚翔馬(南六郷ライダース)の適時打で勝ち越した。



巨人は香川幹大(西埼玉少年野球=写真㊤)から木村慎太郎(和泉少年野球チーム)への継投で逃げ切って勝利。楽天は3戦連続先発となった東海林大志(牛島野球スポーツ少年団=写真㊦)が5回を4安打2失点で完投も、勝利には届かなかった。

楽天は4回表、齋藤悦の適時打で金田がホームイン㊦。これで同点としたが…

「2戦目から2連勝しただけに、初戦が悔やまれますが、全員がよく戦ってくれました」と巨人の西村健太朗監督。巨人軍の三軍投手コーチ就任が決まっているため、ジュニアチームでの采配は今回が最後。「6年監督やって優勝なし…。悔しいっす」と周囲を笑わせた後、「わずか4か月の活動ですが、その間に子どもたちがみるみる成長する姿を見るのは楽しかったですし、やりがいも感じました」と指揮を執った6年間を振り返った。

3戦連発の大会記録(複合バット禁止後)を打ち立てた割石は「狙ってました」とにやり。好投の先発・香川は「無理なところでチャレンジして失点。勝てたけど、良い内容ではなかったと思います」とこの日の投球を振り返ったが、「力まずにリラックスして、力を入れるところは入れて投げるコツを教わりました」と、このチームで学んだ西村監督の教えに感謝していた。
敗れた楽天の寺岡寛治監督は「やりたい野球、『隙なく守り勝つ野球』をやり切れなかったですね…。いいところまで頑張ってくれましたが」と3戦を振り返り、「悔しさを、これからの野球で生かしてくれたら」と選手らにエールを送った。小野寺翼主将(浮島サザンカジュニアーズ)は「絶対に追いついてやろうという感じで、追いついた時にはベンチも盛り上がってうれしかったんですが…。今後も楽天ジュニアで教わったことを生かしていきたいです」と話していた。

